春〜初夏 初夏〜真夏 秋 冬
SUGATAMI Course
1周約1時間1.7km 初夏の姿見散策コース紹介


今回は、6月下旬(初夏)の姿見散策コースをご紹介します。
6月から雪が融けはじめ、高山植物の姿がポツポツと見られるようになり、ようやく大雪山にも春が来たかと思えば、あっという間に夏山に移り変わっていきます。この時期でしか見られない、植物や残雪のある登山道。真夏の散策路とは、また違った見どころが満載!初夏の姿見の池散策路は、1周約1時間。カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)の散歩をお楽しみください。

所要時間 / 距離

1周 約 1時間 / 約 1.7km

必要な装備

登山靴または、底が厚めの靴
レインウェアまたは、雨風をしのげる長袖の上着 など

消費カロリー
成人男性 一般体型 約 450 kcal

コースルート(1周 約1時間
1. ロープウェイ姿見駅 出発
約5分
2. 第一展望台
約5分
3. 第三展望台
約5分
4. 第四展望台
約10分
5. 姿見の池&第五展望台(休憩10分程度)
約20分
6. ロープウェイ姿見駅 到着
コースタイムは、天候や登山者の体力などにより異なります。参考タイムとしてお考えください。

#1 山麓駅より姿見駅へ「神々の遊ぶ庭」

車窓からは森林限界の境界が見られる
*マウスオーバーで境界表示)
 ロープウェイ山麓駅から姿見駅までは約10分。その間、ロープウェイ車窓から見える景色は、旭岳はもちろん、右手側には、忠別岳・化雲岳・十勝岳連峰が、左には、当麻岳から安足間岳の稜線を眺めることができ、下は緑が視界一面に広がります。「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って山岳の大きさを語れ」と大正の文人、大町桂月の言葉にもありますが、神奈川県に匹敵すると言われる、大雪山の広大さを実感できることでしょう。
 また、旭岳ロープウェイは日本国内で唯一、森林限界*を乗り超えて高山帯まで運行しており、車窓から森林限界の境界を眺めることができます。(左写真参照)
 10分間の空中散歩を終え、ロープウェイから降りると、姿見駅の待合室では観光客を対象に、いま見頃の高山植物の場所や動物・野鳥の目撃情報など、「旬」な情報についてのレクチャーを実施していますので、参加することをオススメします。
 なお、姿見の池コースには6月下旬現在、場所によっては雪が残っており、雪渓の上を歩く場所があることから、駅舎では長靴の貸出し(300円)も行っています。靴の浸水を心配される方は、長靴を借りていくと良いでしょう。
それでは、1周約1時間、姿見の池コースへ出発です!

*森林限界とは?
高山帯(大雪山系では約1,400m以上)が近くなると、背の高い樹木(主にダケカンバ)がまばらになり、やがてハイマツなどの低木へと植生が変化する境界線を「森林限界」と呼びます。ちなみに本州では、標高2,500m以上から高山帯とされています。


姿見駅までは約10分

車窓からの絶景をお楽しみください

3分レクチャーで
今日の見どころをチェック!


#2 第一展望台〜第三展望台「氷河期の証人ギンザンマシコ」

第一展望台より大雪山主峰 旭岳
  姿見駅から雪渓を歩くと、5分ほどで第一展望へ到着します。ここからは大雪山系の主峰である旭岳(標高2,291m)を真正面から見ることができ、周囲に広がるハイマツと野鳥の声を堪能しつつ、先へ向かいましょう。
 第三展望台へ向かう途中、左手側に満月沼が見えてきます。満月のようにきれいな円形をしています。この日は、まだ氷が張っていました。周辺では、キバナシャクナゲ、ジムカデといった高山植物が目に付きます。キバナシャクナゲはシャクナゲ類の中では最も標高の高い場所に生育し、高山帯という厳しい環境のため、背丈は30cmほどにしかなりません。ジムカデは、茎が「地(ジ)を這うムカデのようだ」ということが名前の由来になっており、大雪山のほぼ全域で見ることができます。
 野鳥のさえずりと高山植物を楽しみながら歩いてゆくと、目の前に大きな池が現れます。擂鉢(すりばち)池です。擂鉢池は、その名の通り擂鉢状の形をしています。もともとは火口で、爆破した際にはスプーンでえぐり取るように周辺を吹き飛ばし、活動を停止した火口に水が貯まって現在の姿になりました。晴天時には、湖面に旭岳が映り込み、逆さ旭岳を見ることができます。
 第三展望台では、*ギンザンマシコという鳥を求めて全国各地よりカメラマンが集結しています。まるで大砲のようなレンズがずらりと並ぶ光景は、山地に似つかわしくなく異様な光景ですが、反面、ギンザンマシコがそれほど珍しい鳥だということがわかります。印象的な深紅色の体色、そして、非常に慎重な性格で、普段はハイマツの下で生活をしています、ハイマツの上に立ってさえずることもあります。縄張りを守るため・外敵から身を守るための偵察行動でしょうか?あいにく、この日はお目に掛かることができませんでしたが、登山道の脇にひょっこりと現れることもありますので、もし真っ赤な鳥を見かけたら写真を撮ってみては?もしかしたら、二度とお目にかかれないかもしれませんよ。
 それでは、第四展望台を目指して出発です。

*ギンザンマシコとは?
氷河期の証人とも呼ばれるギンザンマシコは、 北海道の高山帯でのみ繁殖が確認されており、もともとユーラシア〜北米大陸など高緯度の地域に生息していて、数万年前の氷河期に北海道へ渡ってきたと考えられています。その後、氷河期が終わり、徐々に低地が暖かくなり始めると、寒い環境を好むギンザンマシコは行き場を無くし、高山帯へ取り残されることになりました。このことから、過去に氷河期があったことを示す証人とも呼ばれています。


氷残る満月沼

擂鉢池にて逆さ旭岳を望む

氷河期の生き証人
ギンザンマシコのつがい(赤が雄)

キバナシャクナゲ

ジムカデ

第三展望台にて
ギンザンマシコを待つカメラマン


#3 姿見の池へ向かう「散策路のマスコット エゾシマリス」
 第三展望台を出発すると、すぐ左手に大きな池が目に飛び込みます。池のほとりに立つと、鏡のように旭岳を映し込むことができるため鏡池と呼ばれています。また、隣の擂鉢池と2つ並んで見えることから、夫婦池とも呼ばれています。

すり鉢池と鏡池(通称 夫婦池) >パノラマを見る

!注意
第三展望台から第四展望台へ向かうのですが、途中に裾合平への分岐点があります。
うっかり、裾合平方面へ進んでしまうと、姿見の池どころではありません。天候次第では、最悪、遭難の恐れもありますので、充分にお気をつけてください。(分岐点には、看板が立っています)


第四展望台へは
やや昇り斜面
  夫婦池の間を歩いて第四展望台へ向かう途中、登山道の脇を駆け抜ける、愛らしいシマリスに出会うことができました。ここは、姿見の池散策路の中でも頻繁にシマリスが現れ、登山客を出迎えてくれる数少ないポイントです。人慣れしているのか、少々近付いた程度では逃げたりしませんが、くれぐれもエサを与えるなどしてはいけません。シマリスに限った話ではありませんが、野生の動物は、一度味を覚えてしまうと、人間に頼るようになってしまい、最終的に自然界で自活することができず死んでしまいます。遠くから、優しく見守ることだけに留めてください。
 今度は登山道を観察してみましょう。道の脇に大きな岩があり、付近を注意深く見てみると、地面に「穴」が開いているのがわかるでしょうか?そして、穴に手を近づけてみると…温かい。これは地熱が噴出しているためで、この近辺は他の場所に比べ温かくなっています。その影響で周辺の登山道は雪融けが早く、春の早い段階から高山植物が咲き始めます。
 ここでは、キバナシャクナゲやミネズオウ、メアカンキンバイが多く見られ、特にミネズオウ単体は直径5mmほどの花びらで、うっかりしてると見落としてしまうほど小さい高山植物です。メアカンキンバイはミヤマキンバイによく似ていますが、花弁の先が丸く、葉の先が3つに分かれているのが特徴で、名前の由来は雌阿寒岳(めあかん)で最初に発見されたことから来ています。植物を観察しつつ、斜面を登り切ると第四展望台に到着です。 ここは、野鳥を観察する絶好の場所です。
 この日は、運良くノゴマと、高山の鳥ではありませんが、キセキレイに出会うことができました。 ノゴマはクチバシからのどにかけ、円上の赤い模様があるのが大きな特徴で、「日の丸(ヒノマル)」と呼ばれることもあります。非常に縄張り意識の強い鳥で、繁殖時期になるとハイマツの上に立って、自分のナワバリを外部に知らせるため、印象的な声で鳴き続けます。姿見の池コースでは、常にノゴマの鳴き声が聞こえ、登山道すぐ脇のハイマツ帯に止まっていることも多く、肉眼でもハッキリと見ることができます。双眼鏡や望遠レンズを用意しておけばじっくりと観察できるでしょう。

登山道の脇に開く「穴」
地熱が噴出す

エゾシマリス
第三〜四展望台間でよく見られる

ガレ場をぴょこぴょこはね回る
キセキレイ

メアカンキンバイ

ノゴマ

ミネズオウ
*マウスオーバーで拡大表示)

#4 姿見の池で一休み

姿見の池と旭岳 >パノラマを見る
*マウスオーバーで角度切替え)
 第四展望台から姿見の池へ向かいましょう。
道なりに5分ほど歩いていくと、道中一面に広がるキバナシャクナゲの大群落やジムカデが見られます。旭岳と裾野に広がるキバナシャクナゲを撮影するのにオススメのポイントです。登山道脇には、まだ雪や氷が多く残っていますが、これでも今年は例年より雪融け時期が早く、それに伴い高山植物も早期に咲き始めてしまったため、キバナシャクナゲの大群落は半分ほどが終わりを迎えてしまったようです。今回は裾野一面に、びっしりと敷き詰められたキバナシャクナゲと旭岳を撮影することができず…残念。
  キバナシャクナゲの群落を過ぎると、前方に塔の様な建造物(*愛の鐘)と石づくりの小屋(*旭岳石室)が見えてきます。愛の鐘までたどり着けば、折り返し地点の姿見の池へ到着ですが、体力に余裕がある方は、ちょっとだけ寄り道して噴気孔を目指してみましょう。噴気孔までは、3分ほどで到着します。噴気孔からは、もの凄い勢いで硫黄を含んだ煙が噴出しており、噴煙口近くの温度は、なんと200度に達するところもあるようです。豪快に立ち上る噴煙を眺めていると、まるで旭岳が呼吸しているかのようにも思え、旭岳の雄々しさを感じさせます。それでは、姿見展望台へ向かいましょう。
  姿見の池は、まだ湖面の半分以上が氷に覆われており、展望台からでは旭岳を映し込むことはできませんでしたが、若干角度を変えてみると、ほんの少しだけ氷の隙間から湖面に映り込んだ逆さ旭岳が見られました。姿見の池も前出の「夫婦池」と同様、もともとは火口で、活動を停止した火口に水が貯まり、現在に至ります。姿見の池の面積から、当時の爆発のすさまじさが伺えるのではないでしょうか。
 また、水深については面白いエピソードがあり、意外にも近年まで正確な水深が判明しておらず。1911年、水深を調査した者は「16mの釣り糸が湖底に届かなかった」、1951年の調査では、「大工用の水糸でも底に届かず」と、口をそろえて「底なし池だ」と語ったそうです。1986年、その「底なし伝説」を解明するため大規模な調査を計画しましたが、姿見の池は特別保護区域内、うかつに手を出すことができません。なんとか調査の許可を取り付けたものの、実際に測ってみると深度は、たったの3.7m。最深部でも4.5mと、70年以上も語り継がれた「底なし伝説」は全くのガセ情報で、調査に関わった人が「底なし池なんて言ったやつを今すぐ呼んでこい!」と激怒したとか。

キバナシャクナゲの群落

キバナシャクナゲと旭岳

噴気孔
*マウスオーバーで冬の噴気孔)

*愛の鐘(大雪愛の鐘)
大雪愛の鐘は、1962年12月末に山岳部員10名が遭難し死亡。この事件をきっかけとして、翌年に遭難者の慰霊と登山者の安全を願い創設されました。今では、姿見展望台の象徴として、守り神として、登山客を見守っています。

*旭岳石室(避難小屋)
宿泊利用は濃霧等、遭難のおそれがある緊急時のみに限定されており、通常の宿泊目的での利用はできません。
なお、石室周辺でテントを立てることも禁止されていて、あくまでも休憩と緊急避難用の施設となっています。


姿見の池まであとわずか!

旭岳石室

旭岳と愛の鐘


#5 姿見駅を目指して

帰りは雪渓を歩き、小川を渡り…
姿見展望台で充分に休息をとったら、姿見駅へ向けて出発です。ここから姿見駅へは約20分ほどで、道中は雪渓を歩き、小川を渡り…と行きに比べ、ちょっぴりワイルドなコースになっています。旭岳と対面するように階段がありますので、そこを下って行きましょう。雪渓を歩き、そのまま道なりに進み、登山道を分断する小川を渡ります。小川と言っても、水深は深いところで5cm程度、1.5mほどの川幅なので、慎重に進めばなんてことはありません。この周辺では、キバナシャクナゲをはじめ、エゾコザクラ、*エゾノツガザクラなどの高山植物が見られます。エゾノツガザクラとアオノツガザクラは、形が非常によく似ており、赤・ピンク色なのが「エゾノ」ツガザクラ、黄緑色の花を付けるのが「アオノ」ツガザクラです。コース終点近くのハイマツ帯で、ノゴマとセキレイに見送られながら、ロープウェイ姿見駅に到着です。
 一周約一時間、雲上の散歩はいかがだったでしょうか。今回は、初夏の姿見の池散策路を紹介させていただきましたが、7月上旬にもなると、登山道から見られる高山植物がガラリと変わり、チングルマやイワブクロ、ミヤマリンドウをはじめとするリンドウ系に移り変わっていきます。また、雪も完全に融け、姿見の池の全容がご覧頂けます。特に、裾合平でのチングルマの大群落は感動間違いなし!天上のお花畑をご自身の目でご覧下さい。
 また、高山とは違った植生が見られる、カモ沼・ワサビ沼山麓湿原コースもオススメします。植物に限らず、多数の鳥類も見られますので、森林浴を楽しみながら、大自然の息吹を肌で感じとることができます。
ただし、防虫対策だけはお忘れ無く…

この階段を下り
姿見駅へ出発

エゾノツガザクラ
*マウスオーバーでアオノツガザクラ)

エゾコザクラ

姿見の池散策コース上で見られる主な高山植物(6月下旬〜7月中旬)

ミネズオウ

メアカンキンバイ

キバナシャクナゲ

エゾコザクラ

ジムカデ

エゾノツガザクラ

チングルマ

エゾイソツツジ

アオノツガザクラ

ミヤマリンドウ

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